「ニュアンスでわかるでしょ」
「わかんないよ!俺は俺でやる、そっちはそっちで頑張れ!ってことじゃなかったの!?」
「あー・・・まあ、その信長ってやつに対してはそういうニュアンスで言ったけど」
はぁぁぁぁぁ!?
納得いかない。
聞いた人誰もがそんな風に受け取ってないと思う。
絶対、そう思う!
てか、一言でそれぞれに違うニュアンスで受け取れとか無理でしょ!
バカじゃないの!?
「それに、これは俺の問題ってのも本当だし」
「どうしてそんなに、妖を追おうとしてるの?」
「見つけたい妖がいる。絶対に許せない、敵。俺はそいつをこの手で殺すまで、戦い続けるって誓った」
絶対に許せない敵・・・。
きっとそれ以上聞いても、瀬名くんは答えてくれないだろう。
そう思って私はそれ以上聞くのをやめた。
「信長さま、大丈夫かな・・・」
「大丈夫でしょ。それに、逃げてる時誰かが110番してるのも見たし」
「え、あの状況で見えたの?」
「まぁ・・・」
すごい。
私、必死すぎてなにも覚えてない・・・。
瀬名くんの手の温もりしか・・・。