それからも、過言ではなく、大変だった。
授業では、はせちゃんのおかげか先生から指されることはなかったけど。

逆に信長さまが茶々を入れたり・・・。

日本史なんて最悪だった・・・。




「なに、あの猿が天下をとったというのか!?ほぉ。あの猿がなぁ」




なんてしみじみと感慨深く呟くもんだから教室のどよめきったらなかったわよ。
日本史の松本先生なんて、きょとーんとしながらも、「まるで知り合いみたいね」なんて返してたし。



信長さまの暴走は、私なんかに止められるわけがなかった。




瀬名くん、ごめん・・・。




「なんか、今日の瀬名くんちょっと変だね」

「そ、そうだね・・・」

「でも、いつものとっつきにくい感じよりいいのかな?」


やよいは遠目に瀬名くんを見ながら話す。
確かにいつも誰も寄せ付けないような空気出してるもんね。
今日は瀬名くんの周りには人がいる。


皆、その中身が瀬名くんじゃないってことに、もちろん気づいてはない。
本当の瀬名くんが来たらどうなるんだろう・・・。
怖ろしくて考えるのをやめた。