「俺も、妖気で傷ついているからか・・・」
信長さまはまじまじと黒く染まった腕を見つめる。
なにか考えてるみたいだけど、そういえばそのケガ放っておいて平気なのかな・・・。
「おいすず。腕に触れてみろ」
「え、い、嫌だよ・・・。怖い」
そのどす黒い腕に触れろなんて、ひどい。
信長さまが強引で聞かないことくらいわかってるけど・・・。
「いいから、早く」
よくないんだって。
ああもう、ほらね。
渋々と手を伸ばしその腕に触れると、ポワンと温かい光に包まれた。
その光が収まると、信長さまの腕の怪我はすっかり元通り消えていた。
「なるほどな。こういう風にも使えるのか」
「どういう事ですか?」
「お前の浄化の力だ。妖気で傷ついたところも浄化できるようだな」
「すごい!私って、すごい!」
なら、これからも信長さまが傷ついたときは私が助けてあげられる。
私にもできることがあった。
それが嬉しかった。
「ん?じゃあ、瀬名くんも私が浄化したら身体に戻れるんじゃ・・・」
「たわけが。無理に決まっておろうが」
「え、なんで・・・」