「美味しかったねぇ」



満足そうに笑うやよい。
確かに、料理はとてもおいしかった。
側に、こいつがいなければもっと味わえたのに。


あれから、本当にうるさかった。


動き出したバスに、まず驚き大騒ぎ。



「箱が勝手に動いておるわ。うむ。なるほど、馬のようなものか」



ひとりで勝手に納得したみたいだけど、流れる景色にもいちいち反応して煩いったら。
やよいとの会話に集中できなかった。




そして、今もずっときょろきょろと興味深そうにあたりを見渡しながら私についてくる。
諦めてくれないかしら。




「はぁー」



仕方ない。
ちゃんと話してわかってもらおう。
私についてきても無駄だって。
早く成仏してくださいって。