「だから、毎回人の気配があるの!」
「・・・外なんだから当たり前だろ」
「だって夜だよ?それに、人通りのない路地裏ばっかじゃん。それなのに、変だと思わない?」
瀬名くんはそれはそれは面倒そうな顔をして私を見た。
そりゃあさ、いつも俺は関係ないだの邪魔をするなとも言うけどさ。
妖退治っていう目的は同じなんだしさ。
少しは協力してくれたって。
「それにさ、瀬名くんだって邪魔されたら困るんじゃないの?」
「・・・まぁ、それは」
「もしかしたらさ、妖の親分とかだったりして!」
なんて、漫画の読みすぎかな・・・。
でも、妖にだってボスがいてもおかしくないよね。
「――――っ!姿を見たのか!?」
「え・・・?」
突然声を荒げた瀬名くんがガタガタッと音を立て立ち上がり私に掴みかかる。
ちょ、な、なに!?