「だめ―――――!」 思わず、叫んでしまった私。 バスの中がシーンと静まりかえる。 や、やっちゃった。 「す、すず!?」 「あ・・・あは・・・寝ぼけてた・・・」 「寝ぼけ・・・?寝てないのに?」 ごもっともなツッコミありがとう。 「やはり貴様、俺が見えているのではないか」 「・・・っ」 男は刀を鞘に納めながら私を見る。 私は、後悔の念に苛まれていた。 「俺を無視するなど、いい度胸をしているな」 こ、怖いんですけど。