「・・・看病してくれたことは礼を言う。でも、これ以上俺に干渉しないでくれ」
「干渉って・・・そんな言い方・・・。瀬名くんだって、信長さまだって、同じように妖と戦ってるんだから、協力すれば・・・」
「協力なんてしない。俺は、俺だけの力で・・・」
なにそれ。
なんでそんなに強情なの?
それほどまでの事情があるのか知らないけど。
一人でなんて・・・。
「どうして?目指してるものは違うかもしれないけど、同じ妖を相手にしてるのよ?協力して戦った方が絶対に・・・」
「すず。こやつにはこやつのやり方がある。こやつの大望があるんだろう。それはきっと、こやつが乗り越えねばならぬこと。無理に引きこむことはできん」
「信長さま・・・でも・・・」
確かに、私の気持ちを押し付けることはできないけど・・・。
でも、瀬名くんはこんなにしんどい思いをして戦ってるって知ってしまったんだもの。
私にできる事が何かあったらって・・・。
それすらも、きっと押し付けがましいんだろうな・・・。
「ごめんね・・・。これ片づけたら帰るね。汗、書いてると思うから着替えてから寝てね」
「・・・ああ」
瀬名くんの事が少しわかっても。
歩み寄ることは、できないんだ。