「じゃあ、プリント届けに来てよかったわよ。瀬名くん、ひどい熱だったのよ」
「・・・別に、よくあることだ」
「よくあるって・・・。瀬名くん、貧弱そうだもんね」
同情したようにそう言うと瀬名くんにキッと睨まれた。
睨む元気が出てきたみたいでよかった。
「・・・幽体離脱。身体に負担かかるみたいで、続けてると熱が出る」
「え・・・?そのせいなの!?それって・・・、あまりよくないんじゃないの?」
原因がそのせいだったなんて。
確かに、幽体離脱なんて普通できる事じゃないし。
それが身体に負担かかってるっていうなら、これ以上やめた方がいいんじゃないの。
「やめるわけにはいかない」
「え・・・?」
「目的を果たすまでは、やめられない」
「目的って・・・」
そういえば、詳しくは話してくれたことないけど、何か事情があるみたいだった。
自分の身体を犠牲にしてまで成し遂げたいことってなに?
私にはわからない。