「信長さま、私たちも帰りましょう」
「――――ああ」
「どうしたんですか?」
私が歩き出すと信長さまもそれについて歩き出す。
「あの刀」
「はい。ずっと気にしてますよね」
「あれは、ホクトだ」
「え?それって、信長さまのその刀の名前ですよね?」
え、それって。
その刀の本体があれってこと?
信長さまが下げているのは、所謂刀の幽体だって言ってたよね。
本体は別にあるって・・・。
「それを、瀬名くんが持ってたんだ・・・。なんか、不思議な巡り合わせですね」
「・・・あれは、妖の手に渡っていたと思っていたのだ」
「え?」
「妖に乗っ取られた光秀と最後に戦った時に使っていた刀だったからな」