幽体離脱―――――。
実際にこの目に見るのは初めてだ。
瀬名くんは、それが自在にできるってことらしい。
そして、その状態だと妖の姿も、信長さまの姿も見ることができる。
なんてファンタジー。
「と、とにかく、安全なところに・・・」
抜け殻の瀬名くんなんて、無防備すぎる。
私は瀬名くんの脇に手を差し入れ必死に引っ張る。
力の抜けた男の子を一人で移動するのはなかなか骨が折れる作業だ。
瀬名くん、男の子の中では華奢な方でよかった。
ていうか、こうなることわかってるんならもっと安全な場所で抜けなさいよ!
てか、バカじゃないの!?