時は流れて、僕の村はとても豊かになった。

春になれば木々は芽吹き
夏になれば作物が育ち
秋になれば山の恩恵を受け
冬になっても食べ物に苦労はしなかった。

そんな恵まれた土地でも、おじいさんは病気になった。

「なぁ…桃太郎や。お前はワシの大事な息子じゃ」

病気になってもおじいさんは、僕のことを心配してくれた。

「大丈夫だよ。おじいさん。僕は誰よりも強いんだ。また、鬼が来てもきっと退治できる」

そんなことをいって、おじいさんを安心させていたんだ。