さらにしばらくすると、
今度は猿が言い出した。

「桃太郎さん。俺ももう山に帰ろうと思う。世話になったな」

タタタっと走って行く猿をみても、僕はあまり悲しくなかった覚えがある。

犬の時も、キジの時も。

「きっとまた、出会えるだろう」
そう思っていたんだ。