「ほんとどこいったんだろ……」


教室にもないんだったら、もう花恋にあやまるしかない。


机にふせながらそう思っていると、頭上から声がする。


「斗真、よびだしー」


言われたほうへ顔をむけると、昨日の1年女子が教室のドア付近に立っている。


なんでいんだよ……。


ニコニコして俺をみている。


嫌な予感しかしないけど、俺はとりあえずその子のもとへいく。






「こんなとこまできてなに」


俺がめんどくさそうにそう言うと、そいつは俺が昨日からさがしているものを目の前にぶらさげてくる。


「斗真先輩、昨日おとしてましたよぉ?」


やっぱり、あのときおとしてたのか。


てか、声がわざとらしくおおきくなってなんなの。


「んな、おっきな声でしゃべんじゃねぇよ」

「えー!なんでですかー!?あー!詩織と斗真先輩がキ……っ」


とっさに、こいつの口を手でふさいだ。


教室に花恋がいんのに、こいつは。