「花恋(かれん)、そのツメかわいいっ！」


休み時間、教室の窓に背をむけてもたれて教室をみわたすカタチでともだち数人とはなしていると、廊下側の席からきこえてきた声。


「でしょ？あたらしくしたんだぁ」


クラス……いや、学年でいちばん目立っている女子の４人グループ。


校則がそんなにきびしくないウチの学校。


みんな制服を着くずしたり、アクセサリーをつけたりしているなか、一段とオシャレな女の子たち。


そのなかでも中心にいる女の子……花恋は、俺ら２年の女子のなかで、いちばんかわいいと言われている。


みた目がすこしハデだからちかよりがたいイメージがあるけど、全然そんなことはなくてみんなのにんきもの。






もちろん、みた目も中身もいいそんな花恋のことを好きなヤツはいっぱいいる。