「前野さんは優しいね。


ありがとう。」



そう言って神崎さんはほほえむ。




「でも、だから、前野さんにはこんな思いして欲しくないの…。」





わたしはその神崎さんの言葉に首を降る。







「神崎さん。わたし、見てるの辛かった。



神崎さんがひどい事言われたり、叩かれたりしてるの見て、いつも、何も出来ない自分が情けなくて、大嫌いだった。」






神崎さんは私の目を見て、じっと聞いてくれる




「だから、お願い。



もう、一人で無理しないで…。





私を頼って。」






やっと私の思いを伝えられた。





やっと見ているだけの自分から買われた。