「なによ……才賀は、私の手料理を食べたくないの?」

「一口もいらねー……」

「なにそれ、ひどいっ」


泣く真似をオロオロとしていると、才賀は見向きもせずに天井を向いたまま「コホン」と咳をした。

今の所、回数はそんなに多くはないけど、「だんだん喉が痛くなってきた」って言ってたから、咳がひどくなるのも時間の問題かしら……。


「じゃあ、私コンビニ行ってこようか? ゼリーとかなら食べられるでしょ? あと、栄養補充食品的な物も」

「う~ん……」


唸るだけで「いる」とも「いらない」とも言わない。

病気に負ける才賀なんて初めて見るから、かなり新鮮。