「お前な、そういう時にハンカチ使えよ」 「え、ど、どーゆー時よ」 「排気ガス、くせーんだろ」 「あ、そっか」 呆れたような顔で見る才賀に、拍子抜けの私。 そ、そうよね。ハンカチで口を塞げば、嫌な匂いを嗅がなくてすむんだもん! なるほど!──目からウロコの話に一人で感動してしまう。 すると才賀がもう一度「それから」と私を呼んだ。