「だって――」


うちの学校は生徒のアイデンティティを尊重するのがモットーで、誰か一人でも「こういった部活を設立したい」と言えば通ってしまう。

もちろん、通すためのプレゼンは必至だけど、だけど、学校側も何だかんだ言って「OK」と出すから、今では膨大な数の部活が出来てしまったの。


「それ、部費どうしてんだよ……まさか、お前の会社が全部だしてんのか?」

「まさか! 生徒の投票で決まるのよ。これから活動してほしいと思う部活に投票する、部活総選挙があるの」

「部活総選挙……」


つくづくイベントが好きな学校だな――そう呟いた才賀の声が聞こえた。