すると少年は驚いたようにビクっとさせ
スっ
爪を振り上げた。
私は咄嗟に避けようとしたが、少年の爪の一本が私の頬を切った。
ツー
血がたれていく感じがわかる。
私は冷静に手で地を拭った。
「お、お前が悪いんだからな。俺に近づくから・・・」
少年を見ると動揺したように目を泳がせている。
私は本棚にある本の内容を思い出しながら、
確かこの時の行動は
「悪い、怯えさせたか・・・・」
するとびくりと少年の肩が動く。
「お、怯えてなんかねえよ」
少年は鋭い犬歯が見えるくらいの大声で言った。
「じゃあ驚かせたか」
また肩がビクリと動く。
「・・・・俺が、驚くわけねーだろ。」
・・・・・・・・・・・わかりやすいやつ。
動揺しているのがバレバレだ。
やたら威勢がいいのも単なる虚勢か・・・・・・
ふっ
私は頬を緩めた。