心にぽっかりと穴が空いたように笑えない日々が続いた。

1日が過ぎるのはとても遅く毎日が退屈だった。

そんなある日「不幸は幸せの始まりだ」という言葉を知った。

心が少し軽くなった。

そしてそれが、新しい人生の幕開けになった。


「夏川また寝てるよ。
アイツあんなんで高校行けんのかよ。」
中3の頃のあだ名は‘‘眠り姫’’だった。

「アイツまじで謎。」
高校生になると‘‘クエスチョンブルー’’と呼ばれるようになった。
名前が青い不思議な子。
決して歓迎されていると思えないあだ名は瞬く間に学年中に知れ渡り、
青色は一躍時の人となった。
しかし彼女は自分がどう呼ばれているか知らない。

青色はずっと、眠っているからだ。