あれから授業が始まった。
思っていたより普通の授業でほっとしたのは私だけの秘密である。
・・・ただ、鋭い視線があり、授業に集中できなかったせいで、内容が頭の中に入ってこなかったが。
そんなこんなもあり、放課後。
結衣ちゃんと風華は部活があるらしく、先に教室を出て行った。
家庭科部らしい。今日はクッキーをつくるんだとか。
・・・羨ましいなぁ。
悲しみに打ちひしがれているような私だが、あきらめているわけではない。
ここの生徒数は約350人。田舎なのに結構多いのだ。
隠れたり、大勢の中にまぎれこんだりすれば、なかなか見つからず、学校から抜け出せるはず。
顔はきっと知られていない。この作戦は有効であるはず。
「もたもたしていても危ないし・・・行きますか」
普通の高校生活をするって、こっちは前から決めてるんだから。