鏡花水月

いきなり友達ができちゃった！

話しかけてくれて助かったわ・・・


「っあ。ちょっと質問してもいい？」

「ん？いいよ～」


「さっき先生が言ってた、“鏡花”ってなに？」


「っえ？！詩織ちゃん知らないの？！」


「まさか本当に知らないとは思わなかったわ・・・。またキングが命令したのかもね」


驚く結衣ちゃんと苦笑する風華。


・・・知らないっておかしいのかな。



「制服に薔薇が描かれているから、もう承知の上でかと思ったよ～」



「合格通知とともに制服が届いて、お金はいらないっていうから受け取っちゃったの」


お金がいらないならお得だし。

やっぱ受け取っちゃったのはまずかったかな。

私って警戒心なさすぎだろ。



「結局、鏡花ってなんなの？」


「鏡花は、まぁ、生徒会みたいな感じよ。鏡花水月を略して鏡花。普通の教師より権限を持っているの。普通は僻みとかがあるはずなんだけど、容姿が整っているからゆるされてるのよ」


・・・そんな無茶苦茶な。じゃあ抑えられるのは理事長くらいか。容姿が整っているだけで許されるって・・・。みんな許しちゃダメでしょ。



「入学式の日にキング、いわゆる生徒会長が理事長によって決められるんだけど、そのほかのクイーン、エース、ジャック、そしてジョーカーはキングが自由に選べるの。選ばないっていうのもありでね。今までジョーカーだけ空席だったんだけど、詩織ちゃんに決まったみたいね」



「っえ！それはちょっと・・・。普通の高校生活送りたいし、遠慮したいんだけど。断りたいから、キングっていう人の名前を教えてくれない？」