体育館の横を抜けて、裏門へと向かう。


ここから裏門はすぐだ。実際にもう裏門は見えている。


ここにいる生徒は黒髪の男子生徒1人。


しかもイケメン。


裏門付近にもたれかかっているけど、誰かを待っているんだろうか。


腕を胸付近で組み、目を閉じている姿は、とても絵になっている。

・・・美形ってずるいわ。



早足で門まで歩いて行き、もうすぐで外だ。


よし、やっと抜け出せるーー!!!


さらば鏡花!来い普通の高校ライフ!


門から一歩出て、ほっと一息ついた瞬間、



「……神崎詩織。今日は呼び出したはずだが、なぜここにいる?」



え…なんで私の名前を知ってるの?!


「人違いでは?私は新崎香織ですが……」



「嘘だな。お前は神崎詩織だ」


何この人!なんで知らない他人に名前を決め付けられなきゃいけないの?!