―ザーザー・・・
―ゴロゴロ・・・!
「ん・・・」
激しい雷雨の音で目を覚ました。
―ザーザー・・・
―ゴロゴロ・・・!
雷、やだよ・・・・・。
時計を見ると針が18時をさしていた。
「ヤバッ!!」
パーカーをはおり、お気に入りの長靴に足を通した。
―パシャパシャ・・・
足を動かすたびに翼の黒い傘に水がかかる。
・・・―ザァァ・・・・
やっと駅についた・・・。
携帯を取りだし翼に電話をかけた。
―プルルルル・・・プルルルル・・・
『おかけになった番号は電波の届かない場所にあるか電源が切られているのでかかりません・・・』
女の人の声が耳にはいった。
携帯を折って、ポケットにしまった。
首を動かして翼を探す。
「・・・あっ!」
ちょうど改札口から翼が出てきた。
「つばっ!・・・さ?」
人ゴミから翼と女の人が出てくる。
・・・なんで?
会社の上司かな?
でも、なんで二人きり?
私の中に一つ悪い言葉が浮かんだ。
―・・・浮気?
その時、私は指から光るものが抜け落ちたことに気付かなかった。