花鈴のことは一目惚れだった。



最初可愛いなと思って、話しかけたらノリが良くて明るくて。



いつもハツラツとしてるところがいいなって思ってた。



気がついたら夢中になってて。



愛美のことを引きずってたことすらいつのまにか忘れてた。



久しぶりに海で愛美に会っても、何も思わなかったんだ。



だから別に、何もうしろめたいことはないと思ってたけど…。



花鈴からしたらそうは見えなかったんだろうな。



「なーんか、悩んでるー?」



そんな俺の顔を不思議そうに覗き込んでくる愛美。



半分お前のせいだよ、とか思ったけど、言えるわけがなかった。



「うーん。まぁ…色々」



「もしかして、彼女のこと?」



「は?」