「ねぇ…カイトくん！」
だけど私がソファー席の端に座るカイトくんの隣に席を移ろうとした途端、ギュッと腕を掴まれた。
えっ…？
振り返ると、それは松村くんで。
「ま、松村くん…？」
「待ってよ。なんで席移るの？」
「あ、いや、ごめんね…。でも私カイトくんとも話してみたくて…」
「俺まだ鈴菜ちゃんと話し足りないんだけど」
「えっ…？」
松村くんは私の腕を掴んだまま引き寄せると、グッと顔を近付けてくる。
「つーかなんだよ、やっぱりカイト先輩に興味あるんだ。さっきの好きなタイプなんてウソじゃん」
「……っ」
そして不敵な笑みを浮かべると、
「でもね、悪いけど俺のそばから離すつもりないよ？」
「え……？」
その表情はなんだかとても強気で、さっきまでの彼からは想像できなくて怖かった。
松村くんはそのまま私の肩に腕を回す。
……ドクン。
「なぁ……もっといろいろ教えてよ。鈴菜ちゃんのこと」
