たとえば、すごく手が早いタイプだとか、女好きで遊び慣れてるとか。
そういう人だったらますます心配だし…。
だけど私のそんな不安は見事に的中して。
「あー、カイト先輩ねぇ…。
見ての通り、相当女慣れしてるよ。
あの人合コンで毎回目当ての子必ずゲットしてるからねー。
鈴菜ちゃんはちょっと、あの人はやめといたほうがいいと思うな」
「えぇっ!」
う…うそ…。
それってやっぱりまずいよ。
花鈴をあの人から遠ざけなくちゃ…。
「ちなみに鈴菜ちゃんは、どういう人がタイプなの?」
松村くんは私の顔をじっと覗き込んでくる。
え…、タイプ?
好きなタイプってことだよね?
自分の好きなタイプなんてじっくり考えたこともないや…。
だけど、なんて答えようかな…と思って、ふとその時自分の頭に浮かんだのは、ただ一人、彼だけだった。
……ナツくん。