一人でオロオロしていたら、その茶髪くんが私たちに話しかけてきた。


彼は近くの工業高校に通う二年生で、名前はカイトくんというらしい。



「花鈴ちゃん達双子なのー?かわいいね〜!二人とも。

すっげー似てる!」



「でしょ?そっくりなんだー」



「見間違えられたりしねーの?

つーか二人ともこんな可愛いのに彼氏いないとかもったいねー」



「あはは…」



そう言われると胸が痛い。



いや、二人とも本当は彼氏います…。


それをいないって嘘ついて今日きたんです。ごめんなさい。


なんて、言ったら空気ぶち壊しだし言えるわけがないんだけど…。



「カイトくんだって超イケメンじゃーん!

彼女いないとか意外〜」



花鈴はなんの後ろめたさもないような顔で振る舞ってる。



ハルくんのこと、忘れてるのかな?


それとも考えないようにしてるのかな?



今ごろハルくんたちはきっと同窓会を楽しんでる頃だよね…。



私はざわざわと胸騒ぎがしながらも、今日1日が無事に何事もなく終わりますようにと、心の中で祈るばかりだった。