「ちょっと!さっきの竜崎って人!
超イケメンだね!ね、優季!」
「う、うん。そだね。」
もはや鬼気迫る勢いで同意を求める瑠璃に、優季は若干ひきぎみで答えた。
「なーに?しれっとしちゃって。
優季だってそう思ったからあーんなこと
したんでしょ?」
「別にそういうわけじゃないけど...」
あーんなこと...
確かに男の子に傘を貸したことなんてないけれど。
「にしても2年生にあんなイケメンがいた
とはねえ...」
「ね、狙うの?」
瑠璃は一瞬きょとんとした顔になって、すぐにニンマリとした笑顔に変わった。
「ん?なーに、狙われたら困っちゃうの?
もしかして好みだったとか?」
「だからー、違うってば。
それに...」
「それに?なに?」
優季は一瞬躊躇ったが、迷いながら言った。
「なんか、雰囲気が似てる気がしたの、
ハルくんと...さっきの人...」