なるほど、綺麗なウインクまで飛ばしてきた。
「...優季、もしかして思い出してたの?
雨の日だから。」
「うん、まあ。
浸るほどじゃないけどね。」
「そっか。ハルくんと最後に会ってから、
何年経つんだっけ?」
...ハルくん。
瑠璃がそう呼んだのは優季の初恋の人だ。
そして今でも...
「もうすぐ7年。
不思議なの、最後に会った日から半年
経った頃、お母さんからハルくんが
亡くなったって聞いたのに。
もう会えないなんて、なんだかちょっと
信じられないんだ。」
わたしの気持ちの整理が出来てないから
なんだろうけど...
「...忘れられないんだね。」
「...うん。」
忘れられる筈がないよ。
だって
今でもハルくんが好きなんだから。