その日の帰り、優季は竜崎と
バッタリ会った。
「あ、優季ちゃん。
今帰り?」
...似てるとはいえ別人。
よそよそしい態度とったらかえって
変だよね...
「うん。
瑠璃...友達なんだけど、待とうかどうか
迷ってたところだよ。」
「友達、委員会かなんか?」
「そ。図書委員なんだけど、
毎日文句言いながらやってる...」
「誰が毎日文句言ってるのよ?」
「わ!!ビックリした!
終わったの?瑠璃」
「なんもなんも!
まだまだよ!
...あ!竜崎くんじゃない。」
「うん。その節はどうも。」
「いーのいーの!
傘貸したの優季だし。
...ってわけで、まだかかりそうだから
優季は先帰っててね!」
そう言うと、またどこかへ走っていって
しまった。
「...じゃあ一緒に帰る?
優季ちゃん。」
「え...」
「「え...」って笑
だめかな...?」
眉を下げてニコッと笑う竜崎。
これはなんかあざといぞ。
「だ、だめじゃないよ。
びっくりしただけ...」
「やったあ!優季ちゃんと帰れる!」
盛大に喜んでくれる竜崎。
...なんかこの無邪気な感じ、懐かしいな。