...それからわたしは半年間眠っていた。
目が覚めて真っ先に訊いたのはハルくんのこと。
「お母さん、わたしと一緒に男の子が
運ばれなかった!?」
「ご近所のハルくんね、運ばれたわよ。」
「ハルくんは!?
もう目が覚めた!?
わたしをかばってくれたの...きっと
ひどいケガをしてる...」
わたしの話を聞いたお母さんはつらそうな顔をして、
「優季、ハルくんはね...」
「死んじゃったのよ...」
ハルくんが...?死んじゃった...?
え...?
そのあとお母さんはわたしに色々話してくれたらしいけれど、ハルくんが死んだと聞いてから、もう何も耳に入ってこなかった。
そして退院したわたしはすぐに引っ越した。
引っ越した先で成長して、高校2年生になった。
でも、ハルくんのことは忘れるどころか、ずっと好きなままだった。