そして小学3年生の修了式の日。
わたしは帰りに、久しぶりにハルくんとふたりきりになった。

「ハルくん...」

「しのみや...その...」

「ゆうきでいいよ!なんにも気にして
ないよ!わたし。」

ハルくんは少し驚いていたけれど、すぐにいつもの笑顔に戻った。

「うん...ゆうきちゃん、一緒にかえろう?」

「うん!」

このときは本当に嬉しかった。
また何も気にせずハルくんとしゃべることができるんだ、と。

まさかこのあと、思いもよらないことが起こるなんて。


しばらく2人で他愛もない話をしながら歩いていたが、
ふと、ハルくんが足を止めた。

「あのさ、あのときのうわさだけど、
俺、本当はゆうきちゃんのこと......」

キキキキキキキィィィィィィィィィーーー

ドンッ!!!












...一瞬のことだったからよくわからなかった

わかったのは、わたしたちにむかって車が
突っ込んできたことと、

ハルくんがわたしに覆い被さって、守ろうとしてくれたことだけだった。