朝が来て仕事は行かないのか、まだ寝ている父を起さぬように家をそっと抜けだす。

そして、私のお気に入りの場所へ駆け出す。

「みんな!!おはよう!!」

いつかに見つけた林の中にあるボロアパート。
そこに居るのは、数羽の真っ黒い美しい羽を持った鳥達。世に言うカラス達。

『おはよう。陽ちゃん。』

私は、この子達の言葉がわかります。