その時です。いきなり地面が縦や横に勢い良く動き始めたのです。
「なっなんだ!?」

混乱する父を前に私は場違いに薄っすらと笑みを浮かべました。

「だから言ったじゃん。逃げようって。」

揺れているのに不思議と私は真っ直ぐに立っていられました。

「お前…!」

皮肉なことに私の記憶はここで途切れてしまいました。