「学校なんか通わなくったっていいよ。高認の勉強も受験勉強も頑張ってるじゃん。


誰にも頼らずに勉強してる高校二年生が、すでに国立大の入試問題も解けるんだろ? すごいよ、麗ちゃんは」



「うん、麗はぼくと違って賢いから。だけど、麗を本気にしたのは朝綺だよ」



 ぼくの言葉に、朝綺は目を細めて、小さく顎を引いた。



 たぶん、麗は本物の天才だ。


集団行動をするのが苦手なのは、その才能の代償かもしれない。


人とコミュニケーションをとれないわけじゃない。


少なくとも、ぼくや朝綺に対しては、きちんと表情を見ながら、誤解のない話し方をすることができる。