洗濯物を畳みながら待つうちに、朝綺に呼ばれた。


下を履かせて、椅子に移乗して、パソコンデスクの前に連れ戻す。



 と、朝綺が声を潜めて笑った。



「麗ちゃん、寝ちゃったんだ。ここに来たら、よく寝てるよな。昨日の晩は、相変わらず眠れなかったんだろ?」



「そうみたいだね。ぼくも規則正しい生活を送ってるとは言えないから、麗にも迷惑をかけてる」



「気の合わない親と一緒にいるよりは、優しい兄貴と一緒にいるほうが、絶対いいって」



「学校には復帰できないままだよ。せっかくの十代の時間を、外に出ずに過ごすのは、もったいない気がする」