キャスター付きの椅子が、自宅内での車椅子代わりだ。


朝綺を椅子ごとトイレまで連れていって、体を浮かせてやりながら、下を脱がせる。


便座に座らせた後、ぼくは外に出て扉を閉める。


朝綺は自力で排泄できる。


用を足した後は、ウォシュレットの水と送風でお尻を綺麗にするから、ぼくの手は必要ない。



 極力、見ないようにする。


それでも、肌の色は目に付いてしまう。


朝綺のところに泊まると言った麗の言葉が、頭の中で反響した。


あれは麗が衝動的に言い出したことなんだろうか?


それとも、朝綺との約束なんだろうか?