ー助けてっ!誰か……助けて……

漆黒に染まったソレは私の目の前でただただ、ゆらゆら揺れていた。
怖いくらいに物音はなく、薄暗いこの空間は私の精神をむしむしと蝕んでいく。

「……………」

ー伊吹……。

私はあの時、助けに来てくれると言ってくれた幼馴染みを信じ続けた。
どんなに時間が経っても、どんなに年を重ねても私はずっと待ち続ける。