「悠稀、佑樹は先に入れ。恋歌、梨花はここで俺の合図を待て。」

結構、俺様な先生だ。

「えー、今日は転校生を紹介するからみんな席に座れー。」

え?まだ座ってなかったんだ。。。

あ、一気に音が消えた。

とそれは、一瞬のことで。

『どんな奴?』『どうせ男だろ?男子校なんだから。』『この時期に転校生はめずらしいな。』と口々に言い張る。

「あー、うるさいぞ。質問があるなら言え!」

シーンと静まり返る。

「あの、先生!転校生ってかっこいい?」

クラスの雰囲気を破るようにその子は言った。

「いや、それはないな。かっこいい。って感じより、可愛いって感じだ。もう、質問はないかー。」

いやいや、かわいいはないでしょ?

それは、恋歌だけに当てはまることだし。

「えー、無いようだから、呼ぶぞ!入ってこい。」

えー、今の段階でですか。。。

私達は、しぶしぶ教室の中に入る。

『え?ヤバ!』『めっちゃ美形じゃん!』
『女子がこの学校にいる!』

と皆さん口々。

「ふ、双子の姉、矢沢恋歌です。よろしくお願いします。」

「ふ、双子の妹、矢沢梨花です。よろしくお願いします。」

『俺、梨花ちゃんが好みだな。』

『いやいや、恋歌ちゃんでしょ?』

え?なんで私の名前が出てるの?!

こんなおブスに。

私は、怯える。

「先生!私達の席、どこ?」

と、半分、怒った感じになってる恋歌が言う。

「あ、ああ。悠稀の横。」

と言うと、恋歌は、私を連れて席まで行った。