そう言いながら、いつもの癖で手を伸ばす。 「…」 だけど、そこにいるのが春依じゃないことに気づいて、伸ばしかけた腕を下した。 『やめてよ』 俺がぐしゃぐしゃにした髪の毛を手できれいに戻しながら、春依が笑う――― いつもだったらそうなのに...