10時過ぎ


玄関の戸が開く音がした


彼が帰って来たようだ


「お帰りなさい」


彼は答えないままキッチンに向かい水を汲む


お酒でも飲んできたのか顔が少し赤くなっている


それとは別に彼からは


香水のような甘い香りがした