お母さんはその子に挨拶したあと、すぐに奏太と帰っていった。

『また来るよ!』と言い残して。

私は、声をかけずに入られなかった。

透き通るような肌をしていて、窓を見ながらくつろぐ姿はまるで天使の休息の様な。

簡単に言えば、絵になるような感じ。

「こんにちは。」

と声をかけた。まぁ、お昼ごろだし。

「こんにちは。あなたも妊婦?」とその子は返してきた。

ここまでお腹が大きいのだけれど、聞いてくるのは一応のためなのだろう。

「はい!私は、白沢姫花です。」

「うちは、相川雛(あいかわひな)。よろしくね。」

「こっちこそ。仲良くしてください。」

「何年生?」とまたその子は嬉しそうにニコッ。と笑いながら聞く。

「学校に通っていたら今年で高3。」

「うちも同じ。どこ高校?」

「京成姫名女学院。雛さんは?」

「雛さんなんてやめて?雛でいいよ!うちは、ルイセント女学院。」

ルイセント女学院ってかの有名なお嬢様がっこうじゃん。

「お嬢様?!」

「まぁ、ね。でも、敬語はなしよ?もう、うちに身内はいないから。縁を切られちゃったの。」

「お母さんに話してみよっか?ここで合ったのも何かの縁だし。雛の彼氏も連れてきてもいいからさ。」

「え?ほんと?でも、おじゃまになるのは。」

「いいっこなしよ?私の家、雛の家ほどじゃないけど大きいと思うから。」

「ありがと。」

「でも、お母さんに相談してからね?お母さんならいいわよ!って言いそうだけど。」

「ありがと。姫花。もっとお話しましょ?」

「いいわよ。」