「奏太!話ついた。明日、作戦会議だって。一緒に来て!」

「姫花、ありがと。」

「いーえ。」

翌日…………。

『奏太が姫花の友達だな?』

「ああ。」

『いいか!よく聞け。あいつは狂愛するところがあるんだ。』

「狂愛?って何?」

私が口を開く。

『狂愛は、狂った愛し方だ。愛しすぎて病む。監禁したり、手錠で縛り付けたり、ストーカーしたり、脅しをかけて、自分のモノにしようとする。』

人をモノにするの?人形みたいじゃない。

『だから、別れたほうがいい。前のやつもだいぶ大変だった。俺らの家族の中で絵礼奈がこの体質を遺伝してしまった。ひいおじいちゃんがこの体質だったんだ。』

「ちょっと待って!双子だから佑樹に遺伝してる可能性もあるの?」

私は、恐る恐る聞いた。

『今のところはないよ。でも、ちょっとした拍子にそういうのが目覚めるかもしれない。その時は逃げてね。』

「わ、わかった。」

おいおい、逃げてね。ってなんなんだよ。

この家族、やばくね?

『でも、今回のは、無理かも。姫花が彼女のフリしてもダメだな。今までだったら大丈夫だったんだけど。』

え?いままでそんなことでいけたの?

どうしたらいいのよ。

『仕方がない。奥の手で行くか。』

〔まさか、あの手を使うんじゃないだろな?〕

と、秋人くんが言う。

『あの手しかねーよ。』

「「ちょっと待って(た)。奥の手って何(なんだよ)?」」

『ばあちゃんを呼んで、助けてもらう。』

「それ、奥の手?」

『奥の手だよ。その代わり、誰かの命を貰わねーといけねーけど。』

「え?誰をあの世へ逝かせるの?」

『ヒト、とは言ってねーだろ?野良犬でも捕まえてくっかな。』

なんかその犬だいぶかわいそう。

残酷だな。