立ち上がるナンパ集団に私は、冷笑した。

我ながら、黒い。

「ひぃー!勘弁してくだせー。」

と言いながら、住宅街へ消えていく。

『何事?何事?』

と人が集まってくるのは当然のことで。

あーあ、あんなに派手にぶっ飛ばした私がいけないんですよー。と思うしかない。

「おねえちゃん!すごいねー!」

って、私に近づいて来る女の子。

その子のそばにはお母さんもいて、なんだか遠慮気味だ。

「おねえちゃん。いつもあんなことしてるの?」ってその子が聞いてきたから

「いつもじゃないよ。」って答えた。

「じゃ、いつあんなことするの?一回じゃできないでしょ?」

「うん、そりゃ一回でできる人なんていないよ。自慢じゃないんだけどね。私は、男の子によく好かれるの。それで、危ないかな?って思った時だけ使うの。いつも喧嘩みたいには使わないよ。」

女の子は関心している。

よく見るとこの子かわいいじゃん。

色白で、小さい頃の私によく似てた。

病弱では、なさそう。

「あのー。」

と関心している女の子の横にいるお母さんに尋ねる。

「は、はい。」

「そんなに驚かないでください。あんなことがあったあとに言うのもあれなんですけど。」

「で、何か?」

「私によく似てますね。まるで、小さい頃の、私を見ているみたいです。」

「この子。。そんなに似てますか?あなたほどではないと思いますが。私も美人では無いですし。。」

「いえ、美人ですよ。この子にさっきも男の子がかばってくれていましたよ。3人くらいで。守って上げるんだ!くらいの勢いで。」

「多分、近所の子たちですね。」

「私も小さい時に、モテるらしくて、何回もナンパっぽいことされました。その時はナイトがふたりいて。無自覚って言われたりしました。」

「この子も、あんな悪い奴に捕まったりするんでしょうか?確かに無自覚っぽいですもんね。」

「うーん。それは、わかりません。せめて、合気道を習っておけば万が一の時大丈夫ですよ。え?私、そんなに無自覚ですか?」

「そうですか。。。ありがとうございました。いや、ほんとに無自覚ですね。」

といいながら、バイバイ!と手をふっている女の子に手をふった。