「ごめんね、いきなり」

そう言ってまた水沢は笑った。

「無理して笑うな」

俺がそう言うと水沢はうん、と
照れたように笑って小さく頷いた。



プルルルルル−・・


水沢の家の電話が鳴る。

「あ、ちょっとごめんね」

そう言って水沢は立ち上がると、
電話のある廊下へと出て行った。


その数十秒後にガタン、と
何かが倒れたような音が聞こえた。

「・・水沢っ?」


俺は急いで廊下に出た。


廊下に出た俺の目に飛び込んできたのは、
呆然とした様子で
床に座り込んでいる水沢だった。


「水沢・・?」

俺は水沢の側に駆け寄り、肩を揺する。

すると水沢は小さく呟いた。





「お父さん・・死んじゃった−・・」