高校に入学してから数日が経つと
俺と和希、茜、水沢の4人で
昼飯を食うのが日常となっていた。
5月の下旬。
その日も4人で飯を食べていた。
「和希っ!あたしの玉子盗むなっ!!!」
「いでっ!手を箸で刺すなっ」
和希と茜はいつも通りじゃれあっている。
それを見て笑っている俺と水沢。
いつもと変わらない平和な時間。
ブーブー・・
水沢の携帯のバイブが鳴った。
水沢は携帯を開くと、表情を曇らせた。
そして弁当を片付け始めた。
「ごめん、あたし帰るね。
茜、後はよろしく・・ごめんね」
「うん、先生には適当に言っとく」
うん、と1回頷くと
水沢は教室を去って行った。
「・・あいつどうしたんだ?」
俺は茜に尋ねる。
茜は、あ〜・・と頷きながら口を開いた。
「多分・・家族関係だと思う」
茜は苦笑いを浮かべた。