あたしも一緒になって笑ってると、
あほ男は稜太に向けていた視線を
いきなりあたしへと向けた。
「茜も知ってた系?」
あほ男は恐る恐るあたしに尋ねる。
あたしはにっこり微笑んで
「もちろん」
と答えた。今までで一番素敵な
笑顔だったかもしれない。
「じゃあ俺だけかよ!
知らなかったのってさ~・・。
そりゃ、4人で遊んでても
水沢と稜太、
いつも一緒に帰るから仲良いとは
思ってたけどよ~」
ぶーぶーと独り言を呟きだした。
独り言、って言っても
丸聞こえだけどね。
「てか、いつから付き合ってんの?」
またでました、あほ発言パート3!
この発言には稜太とあやが答えるより
早くあたしが答えた。
「去年の6月」
「何でお前が答えるんだよ」
あほ男につっこまれました。
何であたしが答えたのかは
あたしにもわかりませーん。
「て、去年の6月とか
もう1年じゃん!
俺ら入学してからずっと
つるんでるのに高2の5月の
今まで知らなかった俺って・・」
「うん、どんまい」
「可哀想に・・」
「仲間はずれじゃん~」
あほ男の嘆きに対して、
稜太、あや、あたしの順に
慰めという名の嫌味を言う。