「メガネ王子」
「俺に惚れた奴」
俺とそいつは同時に口を開いた。
何か息ぴったり。
「メ、メガネ王子・・?誰が?稜太が?」
茜はぽかんと口を開ける。
てか、メガネ王子は稜太って名前らしい。
「和希くんは男の子が好きだったの?」
水沢も驚きを隠せない様子だ。
誤解が誤解を生んでいく。
「だ〜っ!!!俺は男に興味ないっ!
コイツがちょい格好良かったから
つい見とれてただけだ!」
あ・・れ、沈黙?
俺、何か変なこと言ったっけ?
−−ガシッ
俺は手をがっしり握られた。
「お前なかなか見る目があるな!
俺は相川稜太。よろしくな」
稜太は俺の手を離さない。
ちょい痛い、かも。
「あんたさ、目悪いんじゃない?
稜太の変態オーラ見えてないの?」
茜は呆れたようにそう言った。
目悪いんじゃない?って
オーラが見える見えないは、
目が良い悪いの問題じゃないだろ。
「てかさっきから変態変態って・・
稜太のどこが変態なんだ?」
あ、さりげに稜太って
呼び捨てしてしまった・・。