ふとそいつと目が合った。
そいつは俺の方に近付いてくる。


「・・俺、男には興味ないけど?」

ちょっと低めの、でも綺麗な声で、
そいつは俺にそう囁いた。


な、何か誤解されたし。
俺だって男には興味ねーから!

訂正しようとしたけど、
そいつはもう遠くに行ってて
面倒だし訂正するのもやめた。


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俺は教室に入ったらまず、
黒板を見て自分の席を確認する。


窓際の列の後ろから2番目。


まあまあの席だ。

隣にはもう女の子が座っていて
俺は席にかばんを置くと
隣の女の子に話しかけた。


「俺、大澤和希。よろしく!」

隣の女の子は俺を見る。
俺の視線と女の子の視線が交差する。


か、かなりの美人だ−・・。


「私は水沢あや。よろしくね」

そう言って水沢はにっこり微笑んだ。